当番世話人挨拶

愛知県がんセンター 放射線治療部 部長
古平 毅

 このたび日本放射線腫瘍学会第35回高精度放射線外部照射部会学術大会を2022年3月5日に名古屋市で開催させていただきます。本学会は3年ぶりのハイブリッド形式による現地開催を目標に鋭意準備を進めて参りました。しかしながら開催直前に想定を凌駕する急速な新型コロナの感染拡大に見舞われ、慎重な判断の末に忸怩たる思いで今回もオンライン開催の実施を決定しました。次回こそは会場型で開催できることを祈念いたします。

 本学術大会の主題は「高精度放射線治療による新しい標準治療への架け橋」です。学術シンポジウムでは臨床3題、物理2題のテーマを企画しました。臨床のテーマでは臨床応用が今後さらに拡大する前立腺癌の寡分割照射、III期肺癌のIMRT、オリゴ転移の体幹部定位照射を取り上げました。物理からは放射線治療領域のAIを用いた技術開発の実情、今後注目される新規技術開発のテーマでシンポジウムを企画しました。また今回特別企画シンポジウムとしてadaptive radiotherapyに注目し趣旨にそって協賛企業との相談から演者をご推薦いただき、高精度治療の未来の標準治療として期待される本治療技術の開発状況について情報提供の場を設けました。特別企画では高精度放射線治療の国内実態調査-2020年-を前部会長の永田靖先生に、また2022年度保険改定にあわせ高精度放射線外部照射の診療報酬物語として現部会長の大西洋先生のご講演を企画しました。
 また79題の数多くの演題応募をいただきましたので、抄録を慎重に検討した上で20題の優秀な抄録を要望演題として選出し、学術大会開催日に講演いただく予定です。なお一般演題30題、ポスター演題29題は今回オンデマンド開催時に公開いたします。オンデマンド配信では学術企画、要望演題、一部の企業支援セミナーについても視聴頂けますので、当日聴講できなかったプログラムはオンデマンド配信を活用し閲覧ください。

 現地での開催は叶いませんでしたが、学術プログラムには運営スタッフにより十分に検討し、演者や座長には数多くの著名なエキスパートの皆様にご支援をいただけました。JASTRO会員を始め多くの皆様にとって有意義な学会となることを確信しております。是非皆様におかれましてはふるって本学術大会へのご参加をお願い申し上げます。