会長挨拶

 2024年3月2日 (土) に第31回日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医大会を開催させていただきます。1966年に池田茂人先生により開発された軟性気管支鏡は, いまや呼吸器病を診断する上で欠かせない検査法となりました。近年, EBUS, ナビゲーション, 極細径気管支鏡などさまざまな検査機器や検査技術が登場し, 以前には考えられなかったような, 診断の難しい症例でも高い確率で診断ができるようになりました。また, 治療に関しても, 気管支鏡の役割はどんどん広がっています。肺がん患者が増える中, 中枢気道狭窄に対する気管支鏡治療は, 苦痛の緩和だけでなく, 近年劇的な進歩を遂げ高い効果が期待できる薬物療法への橋渡しをする重要な役割を担っていますし, 末梢肺がんに対する非侵襲的気管支鏡治療の研究も盛んに行われています。また, 悪性疾患だけでなく, 気管支喘息やCOPDなど, 以前には考えられなかったような良性疾患に対しても, 気管支鏡治療が行われ成果をあげており, 気管支鏡を用いた呼吸器インターベンションの重要性は増すばかりです。進化を続けるこの領域において, 私たち気管支鏡専門医は, 専門医を標榜するからには, 患者さんに最良の医療を提供できるよう, 最新の知識と技術を身につけていることが求められます。本大会では, この領域を牽引する講師の先生方をお招きし, 気管支鏡専門医として知っておくべき最先端のトピックスを講演していただきます。

 長引くCOVID-19の影響で, 今回も現地とWEB(オンデマンド配信)のハイブリッド開催の予定ですが, ぜひ名古屋にご足労いただき, 直に講演を聴講していただけますと幸いです。それでは皆様, 名古屋でお待ちしております。

国立病院機構名古屋医療センター 呼吸器内科
沖 昌英